バードリサーチニュース

確認種リスト作成エクセル

バードリサーチニュース2015年12月:6 【お知らせ】
著者:奴賀俊光

 バードウォッチングの後に、今日は何種見たのか、確認した種のリストをまとめることがあると思います。自分が鳥を見初めた頃は、見た順番に種名を挙げていったりしましたが、探鳥会などに参加してみると、決まった順番でリストを作っていることを知りました。観察記録のまとめや論文などでは、種の順番は、たいていの場合、「日本産鳥類目録」の最新版の順に従ってリストを作っていると思います。
 2012年、その日本産鳥類目録の最新版、「日本産鳥類目録改訂第7版」が出版されました。第7版では分類が大きく見直され、種の順番も大きく変わり、約670種が掲載されました。確認リストを作成する際、670種もの順番を正確に覚えるのは大変ですし、いちいちその目録を見ながら順番を整理するのも面倒です。ひとつ前の第6版の情報と混乱してしまっている人もまだ多いと思います(自分もその1人)。そこで、観察記録をまとめるツールとして、確認種リスト作成エクセルというものを作成してみました(図1)。

 

図1 確認種リスト作成エクセルの作業シート(クリックで拡大)

 

 和名を入力すると、第7版の順番、目名、科名、学名、希少種情報が自動で表示されるようになっています。並び替え機能を使うと、第7版の順番のリストが簡単に作成できます。日時や観察場所の項目つけて、個体数などを入力すれば、調査結果のまとめの表にもなります。ホームページの資料集から無料でダウンロードできますので、ぜひ活用していただいて、観察記録のまとめやデータ整理に親しんでもらう一助となれば幸いです。第6版との比較等のために、第6版用の確認種リスト作成エクセルも同じエクセルシートに用意してあります。

 詳しい操作方法は解説pdfファイルをご覧ください。作成したリストに、日時、調査地、確認個体数などの記入列を追加すると、図2のような表ができますので、自分なりに見やすい表、使いやすい表を作成してみてください。このような観察記録を集めていけば、自分の良く行くフィールドでの個体数変動や、種の出現時期などがわかりやすくまとめられると思います。観察記録が整理しやすくなることで、普段のバードウォッチングが「調査」に近づきます。
 観察記録をまとめて、何かおもしろい発見がありましたら、ぜひバードリサーチニュースや研究誌Bird Researchへ投稿していただけたらと思います。

 

図2 調査地別の個体数(クリックで拡大)

図2 個体数集計表の例(クリックで拡大)