高山帯に生息するホシガラスの分布調査を始めることにしましたので、お知らせします。
鳥の図鑑を見ていると、まれに生息している標高が載っていることがあります。本州以南では高山帯に生息している鳥が、北海道では低山などにもいることは、皆さんもご存じだと思います。しかし、どの鳥がどの山のどの標高にいるのかは、実はあまりわかっていません。車でささっと行って調べることができる平地と違い、高山に生息している鳥の状況を調査するのは準備と時間がかかるので、こうした鳥たちの情報は不足しがちです。
例えば、モニタリングサイト1000の陸生鳥類調査で高山の鳥が記録されているサイト数は、イワヒバリで1サイト、ホシガラスでは7サイトです。調査地点の圧倒的に多い鳥類繁殖分布調査の第2回(1997-2002年)でも、イワヒバリが13メッシュ、ホシガラスは37メッシュと少なく、高山にいる鳥はほとんどその分布を把握できていません。(ライチョウのように保護や研究が進んでいる鳥もいますが。)
とはいえ、簡単に「調査をしましょう」ということを言っても、アクセスが難しいという課題はなくなりません。そこで、バードリサーチでは、今までは鳥の調査をしたことがないような登山者にも呼び掛けて、山にいる鳥を調べる体制を作っていきたいと考えました。今回、登山者とのつながりの強い株式会社モンベルの協力を得て、登山者に鳥や調査に興味を持ってもらうためのプロジェクトを立ち上げました。
山の鳥は姿が見えず鳴き声で識別することが多いのですが、それは初心者には難しいものです。まずは、鳥の声を識別できない人でも、目で見て見つけることができるホシガラスを対象に、目撃情報を収集します。普段から鳥を見ておられる皆さんにも、是非、ご協力いただけるとうれしいです。まだ登山には時期が早いですが、初夏になったら、ぜひ、山に登ってホシガラスを見つけてきていただけたらと思います。
ホシガラスを探せ!! 目撃情報募集のページ
http://www.bird-research.jp/1_katsudo/hoshigarasu
参考文献・参考ホームページ
モリンタリングサイト1000 森林・草原
鳥類繁殖分布調査報告書
中村浩志. 2013. 二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ. 農文協. 東京. 272pp
すてきな山の鳥の写真、大募集!!
また、登山者の方に鳥に親しんでもらうため、登山の際に出会う鳥の中でも、出現頻度が高い鳥などをピックアップして紹介するページも合わせて作りました。このページでは、見ていて楽しくなる綺麗な写真や鳥のさえずりを掲載して、登山者の方に登山の最中や山小屋での滞在時、登山前後の自宅などで、スマートフォンやパソコンで見て楽しんでもらうことを意図しています。写真や音源には、図鑑のように堅苦しくならないようにしながら、マメ知識を付けています。いくつかすでに会員の皆さんからいただいていた写真を掲載せさせていただいていますが、もっと種数を増やしたいと思いますし、すでに掲載している鳥でも、たくさん写真を集めて、見ていて楽しいページにしたいと思っています。写真をご提供いただける方は、是非、ご協力をお願いします。
「ホシガラスと高山の仲間たち」のサイト
http://teppenbirds.tumblr.com/
写真を提供していただける方は、こちらをご覧ください。
http://teppenbirds.tumblr.com/join-us
主な掲載対象種のリストはこちら。(リストにない鳥でも、山の鳥であれば、掲載させていただきます。)
http://teppenbirds.tumblr.com/birds-list
株式会社モンベルからは、サポートカードによる支援もしていただいています。皆さんが、フィールドに出かける際に着るウェアや調査のために使うアウトドア用品を、サポートカードを使ってモンベルの直営店やオンラインショップで購入していただくと、購入金額の5%相当のポイントがバードリサーチに寄付されるというものです。モンベルでお買い物を予定されている方は、この機会に、ぜひ、バードリサーチを支援するサポートカードを作っていただけたらと思います。詳しくは、モンベルのホームページをご覧ください。申し込みもホームページからできます。
モンベルクラブ・サポートカードについて モンベルクラブの会員カードの一種です。通常のモンベルクラブのメンバーズカード(クレジット機能なし)と同様、モンベルストアなどのお買い物でポイントがたまる他、モンベルクラブの会員特典を受けることができます.
|
|