研究誌に1つ論文が掲載されました
三上かつら・植田睦之:日本のサンショウクイ2 亜種の音声の違いと簡便な判別法. Bird Research 12: T1-T8
3月号のニュースレターでも紹介しましたが,最近,亜種リュキュウサンショウクイが分布を広げています。「九州だけでなく,四国でも見られるようになったらしいよ」と言っていたら,あっという間に,関西でも記録されるようになり,そして,神奈川県でも記録されるようになっています。
これまでは「サンショウクイだね」と簡単に識別できていましたが,「リュウキュウサンショウクイもいるかもしれない」としっかり識別する必要が出てきました。
亜種リュウキュウサンショウクイは亜種サンショウクイよりも黒味が強いなど外見上の識別ポイントがあります。でもサンショウクイを見るのは鳴きながら飛んでいるところがほとんど。じっくり姿をみることはままなりません。
そこでこの論文では,鳴き声で識別する方法を示しています。最近はICレコーダで手軽に録音できるようになりましたので,声を録音すれば,多少雑音の多い録音でも,なんとか識別ができそうだということもわかりました。
「ICレコーダなんて持っていないよ」と思ったあなた。全体的に音が高く,音色がフラットまたは尻下がりの声というのがリュウキュウサンショウクイの特徴ということですので,そこを気にしつつ聞いてみてください。実際に聞き比べたい方は,こちらのページ(http://www.bird-research.jp/1_katsudo/sanshokui/)へ。
http://doi.org/10.11211/birdresearch.12.T1