バードリサーチニュース

神奈川県で保護された傷病野鳥の羽根標本 発行 NPO法人野生動物救護の会

バードリサーチニュース 2021年6月: 1 【図書紹介】
著者:高木憲太郎

 NPO法人野生動物救護の会より、サントリー世界愛鳥基金の助成を受けて作られた1冊の冊子をご寄贈いただきましたので、紹介します。
 野生動物救護の会では、神奈川県自然環境保全センターが行っている野生鳥獣の救護事業に協力し、たくさんの傷病鳥を治療し、野生に帰す取り組みを行っています。しかし、中には手当の甲斐なく失われる命もあります。そこで、神奈川県内に生息する野鳥の記録を残すため、死んでしまった野鳥の羽根標本の製作をボランティア活動として実施しています。今回寄贈いただいた冊子は、たくさんある標本の中から厳選された18種について、計測値や鳥の写真とともに羽根標本の写真をまとめたものです。

目次には掲載種18種の名前が並ぶ(左上)多くの種は説明のページ(右上)と標本写真のページが1ページずつだが、ツバメの標本写真は2ページある。

 野外で観察しているとき、鳥の羽根の1枚1枚をじっくり観察することはできません。鳥たちの美しい外見は、羽根どうしが重なり合い並ぶことで生み出されています。この冊子では、翼の羽根だけではなく、体羽も一緒に掲載されています。この冊子を手に少し勉強しておくと、羽根への理解が深まり、野外で鳥を観察するときの見方も変わってくると思います。

 同様の羽根の図鑑としては、叶内拓哉さんと高田勝さんによる「原寸大写真図鑑 羽」(文一総合出版 定価税込22,000円 https://www.bun-ichi.co.jp/tabid/57/pdid/978-4-8299-8844-2/Default.aspx )がありますが気軽に買える図鑑ではありません。今回紹介した冊子は、種数こそ少ないですが、救護活動の傍らボランティアで作られたとは思えないクオリティの標本で、いろんな気づきを与えてくれる素晴らしい冊子だと思います。

 販売はされていませんが、少し残部があるとのことなので、入手を希望される方は下記を参考に応募をご検討ください。

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冊子を希望される方へ
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私たちが製作した「神奈川県で保護された傷病野鳥の羽根標本」を、傷病野鳥や彼らの羽根標本に興味がある方にお分けすることができます。ただ、冊数に限り(10冊ほど)がございますので一人1冊までとさせて下さい。ゆうメールの着払いでお送りしますので、送料のご負担を願います(331円)。希望者多数の場合は抽選によって発送先を決めさせて頂きたいと思います。

応募期間: 2021年6月30日まで

応募先 : 野生動物救護の会事務局( wildrelief@kanagawa-choju.sakura.ne.jp

応募方法: メールのタイトルを「羽根標本冊子希望」として、本文に冊子を送って欲しい
      発送先の郵便番号、住所、宛名を必ず明記して、電子メールでご応募ください。

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特定非営利活動法人野生動物救護の会 ホームページ
http://kanagawa-choju.sakura.ne.jp/

 

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