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生態図鑑 アカハラダカ

バードリサーチニュース2016年9月: 1 【生態図鑑】
著者:馬田勝義
アカハラダカの雄成鳥(撮影:中山恵美子)

アカハラダカの雄成鳥(撮影:中山恵美子)

○英名 Chinese Sparrowhawk  学名 Accipiter soloensis

○分類 タカ目 タカ科

○鳴き声
 求愛期には雌雄とも「キィーキィーキィー」と鋭い声で鳴くが,渡り期はほとんど鳴かない.

○分布
 中国の北部を除く東半分と朝鮮で繁殖し,フィリピン,インドネシア,中国南部,インドシナ半島,マレー半島で越冬.日本でも2例の営巣例(いずれ途中で失敗)がある.

○生息環境 
 繁殖地でも越冬地でも低山や丘陵,あるいは平地の林に生息し,林に隣接する水田や湿地など開けた場所で狩りをする.

○食性と採食行動
 主な食物はカエルで,クモ,大型昆虫,特に鱗翅類やその幼虫,甲虫,トカゲ,ネズミ,小型鳥類を捕る.

○個体数の減少とエルニーニョ
 アカハラダカの烏帽子岳の通過数は1996年ピークに減少傾向にある.繁殖地の韓国では食物の減少,越冬地の森林の開発と森林火災による生息環境の減少がその要因ではないかと思われる.
 インドネシアでは乾季に大規模な森林火災が発生するが,雨季には鎮火する.エルニーニョ現象が発生すると,雨季が遅延し少雨になり,森林火災が大規模化する.烏帽子岳のアカハラダカの通過数は,エルニーニョ発生年の翌秋に大きく減少していた.森林火災とそれに伴う煙害は,アカハラダカの生息数に影響しているのかもしれない.

◆その他掲載記事
 ・全長,翼長,尾長,嘴峰長,ふしょ長,体重
 ・羽色
 ・抱卵,育雛期間,巣立ち:
 ・巣,卵
 ・渡り

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