バードリサーチニュース

必要な時,必要な方法でヒナを守る ~ ヒナの小さい時にはディスプレイで防衛するハシグロオオハム ~

野鳥の不思議解明最前線 No. 122 【野鳥の不思議】
著者:植田睦之
ヒナを育てるカイツブリ。彼らもヒナが小さい時は声で防衛する? 撮影:三木敏史

ヒナを育てるカイツブリ。彼らもヒナが小さい時は声で防衛する? 撮影:三木敏史

 先月の出張は6回19日。今月もたくさん出張があり,2月いっぱいまでは,旅の日々になりそうです。旅の日々は,いろんな人と会えて楽しいですし,趣味のカツ丼コレクションもどんどん増える(先月は7つ増えました)ので言うことないのですが,ちょっと困ることもあります。ネットがつながれば,たいていのことは旅先でもできるのですが,どうしても調査の調整業務に手がまわらなくなってしまうのです。仕事はもちろんどれも大切なのですが,手を抜くもの,力を入れるものを分けないと,うまくまわせません。「任せちゃっても大丈夫かな」という人と一緒にやっている仕事はちょっと手を抜いてしまいます(T田さん,S田さん,S崎さん,H山さん,M上さん・・・皆さん頼りにしてます)。

 ぼくら以上に厳しい世界で生きている鳥たちも,どんな時に,どうやってがんばるかを決めることは重要です。特に繁殖期は自分たちが生き残るだけでなく,ヒナに給餌したり,ヒナの防衛,なわばりの防衛とやることがたくさんあります。
 アメリカのJukkalaさんとPiperさんはハシグロオオハム Gavia immer に侵入者を模したデコイを見せることで,侵入者対して,どのような時期にどのような反応をするかを調べました。その結果,ヒナが小さい時と大きい時,そしてヒナの数によって防衛の方法や頻度が変わることがわかってきました。

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紹介した論文
Jukkala G & Piper W (2015) Common loon parents defend chicks according to both value and vulnerability. J Avian Biology 46: 551-558. doi: 10.1111/jav.00648.