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都会生まれは寿命が短い? ~ 騒音の激しいところで育つとテロメアが短くなるイエスズメ ~

野鳥の不思議解明最前線 No. 120 【野鳥の不思議】
著者:植田睦之
瓦屋根で繁殖するスズメ。騒音の激しいところで繁殖している鳥もいるが,そこの子は寿命が短かったりする?

瓦屋根で繁殖するスズメ。騒音の激しいところで繁殖している鳥もいるが,そこの子は寿命が短かったりする?撮影:内田博

 

 秋になり,すごしやすい季節になってきましたね。空調いらずのこの時期,バードリサーチでは窓を全開にして仕事してますが,ちょっと困ったことがあります。事務所が鎌倉街道に面しているので,自動車の騒音がうるさいのです。特に声の小さい某K省のSさんやMさんからの電話は,何言っているのか聞こえず,ちょっとイラッとします(「自動車に」ですよ)。
 ぼくの仕事にだけではなく,騒音は鳥へも影響を与えます。騒音があるところでは,シジュウカラのさえずりが高くなりミソサザイはシンプルで周波数の幅の低い声でさえずるようになることが知られています。また,シジュウカラの繁殖成績が下がったりズアオアトリ Fringilla coelebs の採食効率が下がることも知られています。
 こうした親鳥への影響だけでなく,騒音が子供の将来にまで影響する可能性を示した論文がBiology Letters誌に載っていたので,紹介したいと思います。

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紹介した論文
Meillère A, Brischoux F, Ribout C & Angelier F (2015) Traffic noise exposure affects telomere length in nestling house sparrows.  Biology Letters 11: 20150559.