シマクイナといえばBird Research誌だということ知っていましたか? 日本で公開されているシマクイナの論文の多くはBR誌に掲載されていて,最近でも3本の論文が掲載されています。そして,今回4本目の論文が掲載されました。
高橋雅雄・宮彰男・古山隆・三戸貞夫・磯貝和秀 (2024) 中国・四国・九州地方におけるシマクイナの越冬状況. Bird Research 20: S13-S18.
論文の閲覧:https://doi.org/10.11211/birdresearch.20.S13
高橋さんたちは,西日本の186か所の湿性草原でシマクイナの越冬調査をして,四国と九州の計9か所で計19個体を確認しました.北沢・吉岡 (2021) でシマクイナが記録された場所では,この調査でも確認されており,シマクイナが継続的に越冬していることと,越冬確認地は耕作放棄地が大半で植生の遷移や開発などにさらされる越冬地の不安定さが,シマクイナの保全上のリスクであることなどがわかりました。
BR誌,シマクイナだけでなく,ほかのクイナ類の論文も多いのです。これまでに8本の論文が掲載され,17巻から4巻連続でクイナ類の論文が掲載されたことになります。他誌でこんなにクイナ類の論文が載っているところはないと思います。「クイナの論文だからBR誌に投稿しよう」と文化として定着していくといいですね。