バードリサーチニュース

調査研究支援プロジェクト2017年度 ~支援結果のご報告~

バードリサーチニュース2018年4月: 5 【活動報告】
著者:高木憲太郎

 2017年度もバードリサーチ調査研究支援プロジェクトへのご協力をいただき、ありがとうございました。その投票結果をとりまとめましたので、ご報告いたします。

 2017年度は16件の応募の中から選ばれた9件と、バードリサーチからの1件を合わせた10件の調査研究プランが支援対象でした。この中でも、日本野鳥の会茨城県の池野進さんと国立環境研究所の安藤温子さんによる調査研究プラン“防鳥ネット羅網死根絶に向けたハス田におけるカモ類の採食方法とその頻度の解明”が多くの投票を集め、投票総数は例年の約2倍にもなる461票。支援総額は1,443,000円になりました。このうち8割を得票数に応じて分配し、2割を10件の調査研究プランに均等割りで分配して、各調査・研究プランごとの支援額を決定し送金しました。たくさんのご投票とご寄付をいただき、本当にうれしく思います。皆さまに深くお礼申し上げます。

2017年度の支援先調査研究プラン上位5件の得票数

 投票状況は随時ホームページでお知らせしてきましたが、1位は変わらず独走状態でした。バードリサーチの会員の方からの投票も多く得ていましたが、会員ではない方からの投票が多かったのが特徴でした。上位の顔ぶれはほとんど変わりませんでしたが、2位~5位の間では順位がしばしば変わっていました。1位の“防鳥ネット羅網死根絶に向けたハス田におけるカモ類の採食方法とその頻度の解明”、2位の“小笠原諸島~伊豆諸島 ツバメの渡り調査”、3位の“東京都心におけるウミネコ屋上繁殖個体群の移動追跡”は、お一人から5票や10票といった大口の支援があったことも得票数を伸ばした要因でした。4位はバードリサーチから出させていただいた“記憶より記録、さえずりナビを使った野鳥観察のデータベース化と分析”、そして5位は学生さんによる調査研究プランで唯一上位に食い込んだ“チゴハヤブサの営巣数減少の要因はなにか?”でした(図)。
 6位以下の調査研究プランも、どれも興味深い調査や研究です。良い成果が得られることを期待したいと思います。

調査研究支援プロジェクト
http://www.bird-research.jp/1_event/aid/kifu.html#anchor