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暑さがカモフラージュの邪魔をする? ~ 卵のカモフラージュ度合いの低いコスタリカのウィルソンチドリ ~

野鳥の不思議解明最前線 No. 128 【野鳥の不思議】
著者:植田睦之
抱卵するシロチドリ。日本のシロチドリの卵のカモフラージュ度合いは北と南で違う?

抱卵するシロチドリ。日本のシロチドリの卵のカモフラージュ度合いは北と南で違う? 撮影:渡辺美郎

 先日,多摩川へ「全国鳥類繁殖分布調査」の調査コースの下見に行ってきました。河原を歩いていると,つかつかとコチドリがぼくの前に。偽傷を始めました。どこかにコチドリの巣があるのでしょう。卵を踏まないように足元に気を付けつつ進みましたが,カモフラージュされた彼らの卵を見つける自信はないので,河原を迂回して,先に進むことにしました。
 このように,チドリ類の卵は捕食者にみつからないよう,よくカモフラージュされています。しかしコスタリカなど南の地域で繁殖するウィルソンチドリ Charadrius wilsonia の卵はほかのチドリほどカモフラージュされていないそうです。なぜなのでしょう? スペインのGómezさんたちの調査と実験から,暑さがカモフラージュを妨げているのではないかという可能性が見えてきました。

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紹介した論文
Gómez J, Pereira AI, Pérez-Hurtado A, Castro M, Ramo C & Amat JA  (2016) A trade-off between overheating and camouflage on shorebird eggshell colouration.  J Avian Biology 47: 346-353.