バードリサーチニュース

オナガガモの分布変化

バードリサーチニュース2018年3月:3 【その他,活動報告】
著者:佐藤望

写真1 瓢湖の給餌中の様子。大量のカモ類が集まってくる(2016年10月27日撮影)

 「昔、不忍の池にたくさんカモいたけど、今は全然いないよね。カモって減ってるの?」
とあるセミナーに参加した時に、隣の席のおじさんに聞かれました。「あーそれはカモに餌をあげるのをやめたからだと思いますよ。」と返すと、納得してもらいました。が、一つの疑問も出てきました。
餌場にたくさんいたカモ類はいったいどこにいったのだろうか?(写真1)今回はそれを調べるため、給餌の影響が強いオナガガモについて調べてみました。
 カモ類に対する給餌は2008年の1月~3月に発生した鳥インフルエンザの影響で全国的に自粛されています。このような時代の流れの中、給餌場所に集まりやすいオナガガモはどのような影響を受けているのでしょうか。今回はオナガガモの分布の変化について、「ガンカモ類の生息調査」のデータを元に分析してみました。その結果、鳥インフルエンザの影響で全国的に給餌の自粛が開始された2009年以降、北日本や内陸部、九州北部ではオナガガモの観察個体数が減少している都道府県が多く、西日本や茨城県、千葉県などで観察個体数が増加していることが分かりました。

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 今回の分析では、オナガガモの分布の変化が給餌の有無のみの影響とまで言う事はできませんが、給餌をやめた場所の観察個体数の推移をみてみると、給餌の有無による影響は少なくないでしょう。人間活動のちょっとした変化によって、鳥に大きな変化をもたらす可能性があることを今回の分析結果は示しています。