バードリサーチニュース

ドローンを利用したガンカモ調査 その3

バードリサーチニュース2016年11月: 4 【活動報告】
著者:神山和夫

 ガンカモ類の飛来数が非常に多かったり、湖沼が広くてガンカモ類が岸から遠くにいるなどで目視による個体数調査が難しい生息地で、ドローンを使った空撮写真からガンカモ類の数を調べられないか試行調査をしています。今年の秋の調査では、実用的な個体数カウントの目処が付いてきました。ドローン調査は環境省のモニタリングサイト1000の一環で実施しています。昨シーズンの調査を紹介した、その1その2もご覧下さい。

 

オオハクチョウの数を自動カウント

写真1. コムケ湖の湖岸から見たオオハクチョウ。

写真1. コムケ湖の湖岸から見たオオハクチョウ。個体同士が重なって見えるので数えにくい。(撮影:大館和広)

 コムケ湖(北海道紋別市)では近年オオハクチョウの数が増えていて、2015年秋には5千羽を越えたことから、目視だけでは調査が難しくなっていました。コムケ湖の直径は2km以上もありますが、小高い観察地点がないため湖岸からはオオハクチョウは重なり合って見えてしまい(写真1)、数千羽にもなるとカウントが困難です。オオハクチョウはデントコーン畑の落ち穂などを食物にしていて、ほとんどが日の出ごろにコムケ湖から飛び立ちます。そのため、空が白み始めてから日の出までの30分ほどの間に撮影しないといけないのですが、ドローンで湖面の1/4ほどを撮影する時間しかないため、今回はオオハクチョウが集中しているエリアで、当地で調査をされている大館和広さんに協力していただいて撮影を行いました。写真2上は高度150mから撮影した写真の一部ですが、写っていたオオハクチョウは793羽で、成鳥と幼鳥も区別することができました(写真3)。さらにImageJというフリーソフトウエアを利用して、画像処理によってオオハクチョウの数を自動カウントすることを試みたところ、誤差2%でカウントすることができました(写真2下)。ドローン調査の対象になるガンカモの群れは数千~数万羽にもなるので、自動カウントは強力なツールです。

写真2.

写真2. 上:コムケ湖の秋平川河口に集まっているオオハクチョウ(2016年10月13日) 下:自動カウント分析で認識されたオオハクチョウ。カウント間違いは2%で実用的なレベル。

写真3. 灰色をしたオオハクチョウの幼鳥。

写真3. 灰色をしたオオハクチョウの幼鳥。

 

猛禽類の視点からカモの群を見る

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