調査研究支援プロジェクトでは,みなさんから寄付を募り,それをもとに鳥の調査や研究に対して支援を行ないます(図).そこで,支援してくださるみなさんと,鳥類の調査や研究をしているひととをつなぐ工夫をしています.寄付していただく際は,応援したい支援先を選ぶことができます.支援していただいた方には,調査研究の成果報告が届きます.鳥類の調査・研究をみんなで支え合いながら,発展させていける仕組みになればと思っています.ご協力,よろしくお願いいたします.
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寄付&投票の方法は次の2通りです
=== クレジットカードで寄付を送る場合 ===
下記のホームページをご覧ください.
http://www.bird-research.jp/1_event/aid/kifu-a.html
=== 銀行または郵便局から寄付を送る場合 ===
Step1.メールする.
次の情報を高木( takagi@bird-research.jp )宛てにメールでお伝えください.
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・お名前とご住所
・寄付口数
・支援する調査・研究プランと投票数
・あなたのお名前を支援先に伝えて良いかどうか
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Step2.お金を振り込む.
下記のホームページに掲載されているいずれかの口座に合計額を振り込んでください.
(振り込み手数料はご負担ください.)
http://www.bird-research.jp/1_event/aid/kifu-b.html#anchor-b
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支援先の調査・研究プランのご紹介
2015年9月1日~10月31日の期間に支援先となる調査・研究プランの募集を行ないましたが、今年届いたプランは4件のみでした。これらを支援先とするかどうかについて、立教大学の上田恵介教授、山階鳥類研究所の尾崎清明副所長、日本野鳥の会の金井裕参与、慶應義塾大学の樋口広芳特任教授、バードリサーチの植田睦之代表の5名で一次審査を行ない、バードリサーチからの1件を含め全5件のプランを支援することにしましたので、各プランの概要をご紹介します。プランの詳細はホームページにPDFで掲載しています。
001 全寄生植物ヤッコソウの鳥による方向性種子散布の検証
田川一希(九州大学 生態科学研究室D1)
四国・九州・屋久島・沖縄などに自生するヤッコソウは、葉緑素を失い、スダジイの木から栄養分を得て生きている寄生植物です。子孫を残していくためには、スダジイの木のあるところへ種子を散布しなければいけません。その担い手は、メジロなどの小鳥。そのメカニズムを、微小な電子チップをヤッコソウの密に混ぜ、受信機でこれの散布状況を調べるという方法でしらべようという挑戦です。
002 カラスのレストラン!?畜産団地は食べ物がたくさん!
-ペリットから見るカラスの好きなメニューとは?-
齋藤仁志
沖縄本島に生息するリュウキュウハシブトガラスは北部のヤンバル地域に多くみられますが、20年ほど前から個体数が増えて南部でも姿が見られるようになっています。齋藤さんは、その原因に養豚業の拡大が関係していると考え、因果関係を明らかにして、農業被害を減らしていく最初のステップとして、カラスのペリットを分析することで、彼らの食性を明らかにしようとしています。
003 火の鳥 巣箱に んみゃーち!!!
浜地 歩・植村慎吾(大阪市立大学)
アカショウビンは、枯れ木やタカサゴシロアリの巣など脆い材質のものに自分で巣穴を掘って繁殖します。木製の巣箱を使ってもらうことも難しいため、これまで繁殖生態の研究が行われていませんでした。そこで、浜地さんと植村さんは、巣穴を掘りたくなるようなコルク製の箱を林内に設置して、そこで繁殖するアカショウビンの生態をCCDカメラで盗み見ようという計画です。どんな生態を捉えることができるのか、楽しみです。
004 都市近郊型オオタカの繁殖生態「特に食生態について」
芳賀 大(名古屋大学)
近年、オオタカが都市近郊にも進出してきています。彼らの狩場は農耕地と森林がモザイク状にある環境だと言われていますが、都市近郊にはそんな場所はほとんどありません。芳賀さんは、オオタカの都市近郊への進出の背景には、たくさんいるムクドリやハトが重要な餌として機能しているのではないかと考え、巣にカメラを仕掛けて食性を調べたり、目視や発信機を用いて彼らの行動圏を調べようと計画してます。
005 日本の鳥の今を描こう ~全国鳥類繁殖分布調査~
バードリサーチ
鳥たちの状況は現在も変化し続けています。近年ではシカの増加に伴う藪に住む鳥の減少、外来鳥の分布の拡大、温暖化に伴う鳥の繁殖状況の変化などが心配されていますし、思ってもいない変化が起きているかもしれません。前回行なわれた全国繁殖分布調査から、早くも20年が経とうとしています。鳥たちの今を知るために、3回目の全国調査が必要な時期になりました。そこで、NGOと環境省そして大学の研究者などとの共同事業として3回目の調査を実現させたいと考えています。昨年に引き続き、今年度もご支援をお願いいたします!