毎年お送りしているバードリサーチの年報に使用する写真は会員の皆様から提供して頂いています。今年も、5回目となる写真コンテストを実施しました。
今年は「小鳥」というテーマで募集したところ、186点の作品をご応募いただきました。
素敵な写真を応募くださった皆様、ありがとうございました。生息環境や生態がよくわかる写真、一風変わった場所や特徴的な/おもしろい姿勢の写真、可愛らしい写真などそれぞれにポイントがあって、選考は悩みました。
選者であるバードリサーチ職員による厳正!な審査の結果をお知らせします。
○最優秀作品:「単色の世界にちょっとだけ、色が。」(アトリ)染谷カーシャさん
○優秀作品:「ルビー色の輝き」(ベニヒワ)藤井薫さん
○優秀作品:「出合い」(ミソサザイ)中村健三さん
○佳作:「Kingfisher」(カワセミ)西眞史さん
○佳作:「プロペラ」(カワラヒワ)白石雅昭さん
○佳作:「小さな子と待ち合わせ」(コサメビタキ)瓜田英司さん
○佳作:「そろそろ北へ帰ろうかな」(シベリアジュリン)野間修一さん
○佳作:「仲良くいっしょに」(スズメ)大門聖さん
○佳作:「子育て中、ひとやすみのベニマシコ」(ベニマシコ)渡辺修自さん
最優秀賞の染谷カーシャさんの写真は表紙を飾っていただき、賞品として「高山の鳥Tシャツ(来年度新作デザイン:準備中)」を、優秀賞の藤井薫さんと中村健三さんには「全国鳥類繁殖分布調査報告-日本の今を描こう-」を、佳作の西眞史さん、白石雅昭さん、瓜田英司さん、野間修一さん、大門聖さん、渡辺修自さんにはバードリサーチ特製野帳を、それぞれ贈呈いたします。
以下、入賞作品と受賞者の皆様から頂いたコメントを紹介します(写真をクリックすると大きく表示されます)。
「単色の世界にちょっとだけ、色が。」(アトリ)染谷カーシャさん
コメント:ときどき雪がパラパラするどんよりとした奥日光で、ズミの実の赤だけが鮮やかに見えていました。
そこに、光が射すように明るいオレンジ色のアトリ達がフワフワっと舞い降りてきました。
このズミの実は人間が食べると全く美味しくないそうですが、この場所の木の実など全てが、森の生きものにとって冬の大事な糧になっています。
「ルビー色の輝き」(ベニヒワ)藤井薫さん
コメント:ベニヒワは十数年サイクルでの大量渡来を繰り返しますが、
「出合い」(ミソサザイ)中村健三さん
コメント:3月の遅い朝、林道を散歩していると、道路下からカサカサという音がして、何か居ると思いその場に佇むと・・。何とミソサザイが近くに居るではないですか。最初は倒木の陰にいたのですが、一瞬出てきた所を撮影しました。ほんの10秒弱でしたが近くに水辺のない林道で出会うのは久々で、幸運な出合いでした。
「Kingfisher」(カワセミ)西眞史さん
コメント:清流の宝石と呼ばれるカワセミですが、都市部の公園や用水路など身近な場所で観察することができます。鳥好きの方には馴染み深いかもしれませんが、ふとした偶然の出会いから野鳥撮影を始めたきっかけをつくってくれました。
「プロペラ」(カワラヒワ)白石雅昭さん
コメント:佳作に選出していただきましてありがとうございました。この写真はマイフィールドを探鳥中、カワラヒワの群れに遭遇した際に車の中から撮影したものです。夕暮れ時の逆光と、撮影には悪条件だったのですがシルエットの中に翼のひわ色が浮き出てくれました。こちらに向かって飛んでくるその姿は、まるで嘴を軸とした1枚羽根のプロペラのよう・・・。
「小さな子と待ち合わせ」(コサメビタキ)瓜田英司さん
コメント:この度は佳作に選んで頂きありがとうございます、2年連続の選出とても嬉しく思います。毎年コサメビタキが来てくれるこの場所で、待ち合わせしていたかの様に数羽が囀り飛んできてくれました。
「そろそろ北へ帰ろうかな」(シベリアジュリン)野間修一さん
コメント:穀雨の日の夕方、サルハマシギを狙って、葦の茂みにじっと身を潜めていました。そこに偶然、この子がかわいいポーズで留まってくれました。撮らせてよとお願いして、そっと撮影しました。そろそろ北へ帰ろうかと風景を目に焼き付けていたのでしょうか。この日以来、シベリアジュリンは見られませんでした。この子に幸あれ!
「仲良くいっしょに」(スズメ)大門聖さん
コメント:この度は「佳作」をいただき、ありがとうございます。写真は自宅すぐ近くの電柱で撮ったものです。
電柱の腕金から顔を覗かせるスズメは何度も見ていますが、仲良くいっしょに入っている様子に思わずほっこりしながら撮影させてもらいました。
減少傾向にあるとされるスズメですが、こうした街中の人工物を巧みに利用しながら生きぬいている姿に尊敬の念を抱かざるをえません。
また何に入っても可愛く見えるのもスズメらしい役得ですね。
「子育て中、ひとやすみのベニマシコ」(ベニマシコ)渡辺修自さん
コメント:佳作賞ありがとうございます。この写真は、北海道のオホーツク海に面した原生花園で撮影しました。この時期北海道各地で懸命に子育てする姿の情景に一番感動しカメラを向けました。この時は子育てに奔走している間の、ほんの束の間のひとやすみの瞬間の姿を捉えたました。どことなくホッとした感じがあり、自らも気に入った写真となりました。
【年報記事の写真】
年報内の記事で使用する写真についても、下記ご提供頂きました。
感謝申し上げます。
トモエガモ 白石雅昭さん
ハマシギ 染谷カーシャさん
イワヒバリ 山賀徹志さん
ウグイス 中村健三さん
コルリ 渡辺修自さん
ジョウビタキ 植本義一さん
バン 山田琉太郎さん
オオタカ 渡辺美郎さん
カワウ 野間修一さん
コブハクチョウ 松村千恵さん
年末には年報が会員の皆様のお手元に届く予定です。2022年の活動報告とともに写真もお楽しみください!