『Bird Research』22巻(2026)の報告が、3編公開されました。3編の論文は、野鳥たちと周囲の環境とのつながりを紹介しています。舞台は小笠原の森、雪深い東北のブナ林、そして街角のマンホールです。
小笠原諸島の母島では、外から持ち込まれたアカギなどの樹木が広がり、もともとの森を守るために駆除が進められています。でも、木を取り除いたら、そこに暮らす鳥たちは困らないのでしょうか。瀬戸智大さんと南波興之さんは、2009~2024年に行われた調査の記録を使い、野鳥と森の変化を調べました。
その結果、外来の樹木が多い場所では、オガサワラヒヨドリなど在来の3種が少ない傾向がありました。一方、駆除後の反応は鳥によって違いました。オガサワラヒヨドリやハシナガウグイスは、駆除から7年以上がたち、植生が回復した場所で多く見られました。ハハジマメグロは、駆除後の比較的早い段階の開けた環境も利用していました。森を守る取り組みの効果を知るには、鳥の種類ごとの違いと、時間をかけた変化を見ることの重要性を示しています。
続いては、日本最大のキツツキ、クマゲラの「家選び」です。北海道ではさまざまな樹種に巣穴を掘りますが、本州で確認された営巣木はブナばかり。藤井忠志さんは、これまでの観察と樹木の研究をもとに、その理由を考えました。
注目したのは、ブナの「雪への強さ」です。雪の重みで幹が曲がったり傷ついたりする木が多い中、ブナは太く、まっすぐ育つ性質があります。本州のクマゲラは同じ営巣木を何年も使い、冬のねぐらにも利用します。長く使う住まいだからこそ、丈夫なブナが適しているのではないかというわけです。クマゲラの子育てを考えると、地域と木々と雪との関係まで見えてきます。
最後は、ツバメの意外な食事風景です。越川重治さんが千葉県市川市で見つけたのは、道路に降り、マンホールの穴から出てくるユスリカを食べるツバメでした。穴に頭を入れる個体もいて、地上で食べていたツバメは最大7羽。空中で虫を捕らえるおなじみの姿とはずいぶん違います。
観察前には雨や急な冷え込みがありました。空を飛ぶ虫が減り、まとまって餌を得られる場所を利用した可能性があります。詳しい理由はまだ確かめられていませんが、ツバメの柔軟な暮らしぶりを感じさせる記録です。
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[Bird Research Vol.22 (2026)] J-stage
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