バードリサーチニュース

リュウキュウサンショウクイ最前線2016

バードリサーチニュース2016年3月: 1 【活動報告】
著者:三上かつら

 私が子供の頃,三枝の国盗りゲーム,というTV番組をやっていました。桂三枝が司会で,回答者がクイズに答えて,正解した人は日本のどこかの都道府県を得ることができ,陣取り合戦をしていくというものです。途中には坊主めくりゲームなども組み込まれて,展開が複雑になり,子供にはちょっと難しいルールだったような気がします。

 

サンショウクイとリュウキュウサンショウクイの陣取り合戦?

リュウキュウサンショウクイ(撮影:湯浅芳彦)

リュウキュウサンショウクイ(撮影:湯浅芳彦)

 このクイズのように,今,ひょっとしたら日本各地で陣取り合戦をしているかもしれない鳥たちがいます。亜種サンショウクイと亜種リュウキュウサンショウクイです。亜種サンショウクイは夏鳥として日本に渡来する鳥ですが,亜種リュウキュウサンショウクイはもともと,沖縄県や九州南部にのみ留鳥として生息していました。しかし,1990年代ごろから次第に九州の北部や,四国地方でも観察されるようになり,一部では繁殖も確認されています。気候変動により,チョウや魚類,植物など,様々な生き物で生息分布の変化が見られますが,リュウキュウサンショウクイもその流れに乗っているのかもしれません。バードリサーチでは,2010年からサンショウクイの情報を収集しています。これまでの調査で近畿地方と関東地方で越冬期に記録されるようになり,さらに繁殖期の記録も出てきて定着が始まっている可能性が見えてきました。

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今後の両亜種の関係は?

 さて,陣取り合戦とはいいましたが,ひょっとしたら和合政策を取る可能性もあります。つまり,仲良くペアになって雑亜種をつくってしまうということです。今後,2亜種の関係がどうなっていくのかわかりませんが,サンショウクイプロジェクトでは,引き続き情報を集めて,彼らの動向を探っていきたいと思います。もしかしたら今後も,今まで本種がいなかった地域でも観察される可能性が考えられます。「ピリリリ」の声を聞いた方,どちらの亜種でも,あるいは亜種がわからずとも結構です。是非,ひきつづき情報をお寄せください。よろしくお願いいたします。
 目視だけでなく音声による判別も,誰にでもできるようになるとよいな,と思い,2亜種の音声の判別方法についての論文をまとめました。バードリサーチ誌に掲載されますので(2/29日時点で編集中で要旨のみ公開),ぜひ判別の参考にしていただけると嬉しいです。

■情報はこちらまで
サンショウクイプロジェクト http://www.bird-research.jp/1_katsudo/sanshokui/index.html


  なお,2014年11月~2016年2月の間,以下の方々より情報をご提供いただきました。ありがとうございました。
尾中潔,久保紀子,谷本洋子,保田和昭,黒木道子,佐藤浩,吉田,大坂英樹,上甲義嗣,ヤマダ,中村さやか,小林正人,伊藤登喜男,新庄俊郎,やべみなこ,吉岡俊朗,山本芳夫,渡辺美郎,熊田那央,浦田美由貴,川瀬治郎,カントリーダイアリー,林春幸,川口秀人,山腰秀治,久野郁夫,福田喜博,柳英浩,吉谷将史,大向あぐり,中鉄也,辻野智宏,臼井英夫,吉川徹朗,金谷善晴,中野栄明,大橋雅敏,大西敏一,松本勝,田中航二,亀村聡,髙岡勇佑,油谷邦夫(順不同,敬称略)